牽引療法とは
首または腰を引っ張る治療法。 1.狭くなった背骨の隙間を広げ、椎間板の圧力を減少させ、神経圧迫を取り除き手足の痛みやシビレを緩和する。2.緊張した筋肉を緩める。
頚椎牽引療法は首の牽引(引っ張る作用)と休止(緩める作用)を繰り返すことにより、筋肉や筋膜由来の痛みや頚椎症性変化によって起こる痛み、シビレを緩和する治療法です。
筋肉や筋膜由来の痛みは牽引のストレッチ作用で頚部の筋肉や筋膜、靭帯の緊張が取り除かれ痛みが緩和されます。頚椎症性変化由来の痛みは椎間関節の不適合性が改善され、椎間板の変性による椎間孔(神経の出口)の狭窄が拡大され、局所の痛みや椎間板性の痛み及び神経性の痛みが緩和されます。
尚、頚椎の牽引時は頚椎の前弯(首の前方のそり)を取り除くために首を10〜20°前屈し(顎を引いた状態で)牽引することが大切です。牽引力は体重の1/5(体重50kgの人は10kgでの牽引力)を目安とし、10分間程度行います。必要以上に牽引力を増したり、牽引時間を延長したりしますと、逆に頚部痛や頭痛や吐き気をもたらすこともありますので要注意です。
顎、胸、腰、各椎骨の圧迫を取り除き神経の障害を柔げる。
牽引
読んで字のごとく、ひっぱる行為です。主に、首と腰です。(股関節をひっぱる場合もあります。)代表的なものは、頚椎牽引と腰椎牽引。
頚椎牽引
ようするに、首の骨と骨の間隔がせまくなっている場合、もしくは椎間板ヘルニアの様に圧力がかかって神経を圧迫している場合、首を上部にひっぱって、神経根の圧迫を除去し、また間隔を広げるのが目的の機器です。さらにひっぱる事により、肩の周囲の筋肉の緊張の緩和もすることになります。ですから、筋肉を引っ張って肩こりが改善する場合もあるし、肩こりの原因が骨の間隔のせまさから来ている場合には、効果を発揮するでしょう。
引っ張る強さとしては、おおむね8〜10kg前後が標準的です。あとはその方の体力や体系に合わせて、処方します。実際、軽いヘルニアの場合には牽引で症状の改善が大いに期待されます。
腰椎牽引
これは、骨盤にベルトをまき、機械的に引っ張るものです。筋肉や筋膜の病態からくるもの=いわゆるぎっくり腰のようなものは、筋肉が切れたり、炎症を起こしています、炎症が治まって、慢性腰痛のようになった場合には、この牽引は良いかもしれませんが。急性期の時にはあまり効果は期待されません。骨の病態の時に牽引は効果を発揮します。例えば、腰椎椎間板ヘルニアや、骨の間隔がせまくなる病態などです。これも、頚椎牽引のように機械的に引っ張ります。各治療院や医院によって、ひっぱるタイミングなどは、細かくプログラミングされていますので、これがっていうものはありませんが、引っ張る強さとして大体15〜30kg前後の力でひっぱります。
牽引療法は、骨の間隔が狭い場合に有効な治療法です。これも医師の処方を守って、正しく理解した上で行ってほしいものです。まれに、骨粗鬆症の方で骨に異常を来す場合があります。
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